好きになってしまえよ

五月病より五月晴れ!

 

「待って」

「もう六月終わっちゃうの?」

 

「まだもうちょいありますよ」

「まだ18日ですから」

 

「いやいや一瞬でしょ」

 

「まぁまぁ、早いですよねぇ」

 

五月病がなんだとか言ってたと思ってたらもう七月」

「夏本番じゃん」

 

「ほんとよね」

「緑が気持ちいい~季節だよ」

 

「シークレットベース聴かなきゃ」

 

「きみぃーとなぁつのおわりっ、しょぉーらいのゆぅめっ、ってやつね」

 

「そうそう、えらい歌に魂はいってんな、好きなの?」

 

「大好きですよそりゃあ」

「夏好きな人はシークレットベースも確実に好きですから」

 

「あれ聴きながらアイス片手に自転車漕ぎたいわ」

 

「いいねぇ~。確実に9シークレットベースはあるな、それは」

 

「なんか新しいのきた」

「青春の単位ですかね?」

 

「そうです」

 

「いまいち基準が分からんので良いのか悪いのか」

 

「相当良いですよ、9シークレットベース」

 

「やった、ありがとうございます」

 

「次俺ね」

「仲の良い好きな子に花火大会一緒に行こうって中々言えなくて、当日になってようやくよし!電話で誘おうってなったけど全然電話出てくれなくてガックシきてたら急にピンポンなって誰か来たと思ったらその子で『花火、一緒に行かない?』って誘われていそいで着替えて花火大会に向かうも、急な土砂降りで翌日に延期になってほんとツイてないって落ち込んでたらその子に『また明日も会えるの……嬉しいな』って言って欲しいわ」

 

「もう読めないですよ」

「そんな長いやつやられたら」

 

「判定お願いします」

 

「どれどれ……よし」

「23シークレットベース!」

 

「おぉ!」

「じゃあ2突然の転校でどうしようもなく手紙書くよ電話もするよ忘れないでね僕のことをいつまでも二人の基地の中と3シークレットベースですね」

 

「なんですか急にベラベラと」

 

「いや10"シークレットベース"で、1"突然の転校でどうしようもなく手紙書くよ電話もするよ忘れないでね僕のことをいつまでも二人の基地の中"なんですよ」

 

「え、これも単位なの?」

「このシークレットベースのCメロのとこ?」

 

「はい」

 

「まぁ確かにここ盛り上がるけど」

 

「でしょ」

 

「えぇ、でもさすがに長すぎでしょ……」

「じゃあ好きな人の突然の転校の青春度は何ポイントなんですか」

 

「そりゃやっぱり1突然の転校でどうしようもなく手紙書くよ電話もするよ忘れないでね僕のことをいつまでも二人の基地の中ですね」

 

「いや二人の基地なんてあるかなぁ……」