キャンドルライフにゃ魂で短く

最大限に最小限

 

「俺さ、人生で一回は言ってみたい台詞があってさ」

 

「おう、なに」

 

「アニメのセリフで痺れたセリフなんだけど」

「『夢を叶えろ!!なぎさぁぁぁ!!』っていうセリフでさ」

 

「おぉ、熱くていいセリフだね」

 

「でしょ?」

「これ、渚っていう女の子に言ったセリフなんだけど、こんときだけ渚のイントネーションが違うのがまた良いのよ」

 

「ふん、ん?どゆこと?」

 

「普段は渚って、パスタと同じイントネーションなのよ」

 

「パスタ。渚。」

「うん」

 

「でもユメカナの時」

 

「ユメカナ?」

 

「あ、『夢をかなえろ』の時」

 

「や絶対そんな略称ないでしょ!」

 

「ユメカナの時の渚は、佐久間のイントネーションなんだよ」

 

「佐久間のイントネーションパッと出ねえわ!」

「イントネーションどうでもいいし!」

 

「憧れなのよ~」

「だからさぁちょっと気持ちよく言わせてもらえんかね」

 

「え。やだ。」

 

「いややってよ~!一回言ってみたいんだよ~」

 

「やだやだ。だって何言えばいいの?」

「気づいてないかもしれないけど、今お前と俺で温度差すごいあるからね!」

 

「夢を叶えろ!!なぎさぁぁぁ!!」

 

「別にまだ何もやってねえよ!!」

「全然気持ちよくねえだろ!」

 

「あ、そうなの?」

「いいパス来た~と思ったけど…」

 

「マジかよ…」

「じゃあ。その程度でいいなら別にやってやるよ」

 

「ほんとか!?」

 

「うん」

「そのかわり適当だからね?文句言うなよ?」

 

「うん。だいじょぶだいじょぶ!」

 

「オッケー」

「……。」

「……なぁ俺さ…大会行くのやめるよ…」

 

「は?何の話?」

 

「どうしてだよ!?って…酷な質問するなお前は」

 

「いやそんな質問してないけど」

 

「サヤカちゃんがさ…引っ越すみたいなんだ…」

 

「はぁ?サヤカ?」

 

「だから限られた時間を…一緒に過ごしたくて…」

「夢…諦めようかなって…」

「そんな俺に、なんか言葉かけてくれよ」

 

「いやお前ノリノリじゃん!」

「引くわ!」

 

「おい!チャンスだっただろ!」

「お前ちゃ~んと、夢を叶えろ!!なぎさぁぁぁ!!」

 

「おい!お前が言うんじゃねえ!!」

 

 

☆まずお前ら渚じゃないだろ…‼