宵青を灯す

宵青を灯す

 

「いやーフットボールネーションは面白いなー」

「やっぱサッカーの戦術って面白いよなーふんふん……」

 

「ねぇ」

 

「お、なにどした」

 

「宵青を灯す、とか宵青灯とかなんなの」

 

「おーついにそこ切り込む」

 

「うん」

「これありものじゃないよね?」

 

「うん」

「もともとある言葉じゃないね」

 

「じゃあなによ」

 

「これさ発端はさ『名前に"青"ってついた作品ってハズレなしだなぁ』ってある日思ったことからなんだけどさ」

 

「うん」

 

「そこから"青"っていうモノが好きになったのね」

 

「モノ?」

 

「うん」

「漢字としてもそうだし、色としてもいいじゃん青空とかさ」

 

「はいはい、それこそ"青"春もそうだし」

「全体として概念として好きになったんだ」

 

「うん」

「で、そのあとに"宵"ってすごいいいなって思ってさ」

 

「ほぉ、いいとこいくね」

 

「なんか仄暗くてちょっと切ない感じするじゃん」

「その言葉からの連想イメージがいいじゃん」

 

「うん分かる」

「言われてみるといい言葉だな」

 

「で、"宵青"揃ったときに鈍い青色の宵の空のイメージができてしっくりきたのよ、こりゃいいねっていう」

 

「ほんとあなたノスタルジック好きね」

 

「あぁそうそう、そうなんだよ」

「俺のノスタルジック好きが完全に表れた表現だと思う『宵青灯』って」

 

「でもじゃあ"灯"は?」

 

「なんか灯は宵青に比べて『なんかいい言葉ねぇかなぁ』って考えて産み出した言葉だから思い入れ薄いんだよな」

 

「あ、そうなんだ」

 

「今となっては好きだけどね」

「"宵青"にさ少し橙がかったあかりがぽーって"灯"るんだよ。」

「したら、たいして強いあかりじゃないんだけどなんだか宵青がマイルドになるんだ」

「空も橙がかって見えるというか」

 

「ふふふ」

「ノスタルジック拗らせてますねー」

 

「うるせぇ」

 

「いやいや誉め言葉ですよ」

「どういうときに使うの?」

 

「特に決めてないんだけど」

「自分の感性に響いたときとか琴線に触れたときに"宵青が灯る"って言うイメージかな」

 

「ふーん」

 

「なんとかみんなに宵青を灯していきたいね」

 

「えぇえぇ」

「これからも頑張っていきましょう」