時計はアクセサリーでカウント

時をかける成人男性

 

「もしさ、高校に戻れるなら何します?」

 

「え、俺高校生くらいの設定じゃなかった?」

「戻るっつーか高校生まっただ中なんすけど……」

 

「なんなら大学一年、二年に戻りたいよ」

「どう?」

 

「いやだからどうってか俺年齢設定高校生頃だから……」

「まぁだから大学は楽しみですね」

 

「ひとり暮らしの友人家によく泊まってたんだけどさ」

「映画をみんなで見てたよ、駅前のTSUTAYAで借りてさ」

 

「ww」

「すばらしき非生産的な日々」

 

「ほんとに素晴らしいと思ってんのか」

 

「めちゃ思ってますよ」

 

「帰りしなにコンビニに寄って映画上映中に食べる用のお菓子かってさ」

 

「お酒買ったりね」

 

「お酒は飲まんかったけどな」

 

「健全~」

 

「俺が酒弱いからな」

「あとはゲームしたり、ひたすら話したりねぇ」

 

「ほんと自由だね」

 

「それこそ『ネタ作ってみよう』とかはこの場がなかったらなんなかったしね」

 

「ある種青春っすね」

 

「ある種どころか俺ん中じゃ王道だよ」

 

「でも高校戻ったら何するって話ですよね?」

 

「あぁそうだった」

「いや俺もね『こうしたい』とかそんな無いんだけどさ」

 

「あ、そうなの」

 

「うん特に今不満もないしね」

 

「じゃあなんでそんな話を」

 

「懐かしくなったからかなぁ」

 

「はーん」

 

「俺高校戻ったらイベント系に傾倒したいわ」

「とくに部活動と文化祭」

 

「やってないわけじゃないですけどね今も」

 

「まぁね」

「でも傾倒ってほどじゃないじゃんか」

 

「まぁはい」

 

「うん~」

「まぁそんな不満ないからいいんだけど」

 

「お前なんなんだよ!」

 

「そういう方向もあったなって話w」

「なによすぐ怒るじゃん」

 

「いやなんか煮え切らねえから」

「今でも部活動も文化祭も似たようなことできるだろ」

「やりたいならやれ、そんだけだ今も昔も」

 

「は?高校生の俺かっこよすぎ」

 

「でも俺は疲れるからやらない」

 

「あ、だめだ結局俺は俺だったわ」

「今年の文化祭楽しみだ~」

 

「今年も行くんすね」

 

「意地でも毎年行くから」

 

「墓参りみたいな感覚ですか?」

 

「いや普通に母校に行く感覚だよ」

「俺の高校生活勝手に死なせないでくれる……」

 

「失礼しました」